いよいよ今日がラリー最終日。
今日のコースはデルファイの麓町イテアからアテネに戻るコース。モーターの調子は良いが、今日は最後の難関ともなる急な登り坂を含んだ長距離コース。おまけに、最後の最後には、ラリー初日に止まってしまったアテネ市内の混雑した中を走らなければならない。
サンレイク出発予定時刻は8:30。チームきってのミュージシャン前田はスタートラインに並んで立ち、トランペットを構える。「何をする気だ?」と問うオフィシャルに、「I'll
play starting signal.」と答えると「よっしゃ、そこで構えていろ」。オフィシャルはポケットからデジカメを取り出し記念撮影。
前田のトランペット吹奏をバックにサンレイクは、アテネへと出発した。
天候はすぐれず日差しは少し頼りない。9:00頃から登り道に入る。わずか13kmの間に標高650mまで登る難関であるが、トラブル無くクリア。
のどかな田園地帯を通る一般道から高速道路に入るが、この高速道路側道で最後のSSがある。ドライバー平澤は側道を時速110Km/hを超える速度で走り抜け無事に最終SSをクリア。そして12:45、最後の上り坂。ここを超えるとアテネ市街に入る。
高速道路はアテネ市内の混雑のまっただ中へとサンレイク号を誘う。運転は非常に荒っぽく、車の流れも速い。また、ラリー全体にいえることだが、特にアテネは工事中箇所が多く路面は最悪。衝撃で太陽パネルが割れないか、車体は大丈夫かと不安もチラつく。
交通量が増え、左右から自動車やオートバイが合流してくるため気が気ではない。しかも、どの車もサンレイク号と併走し、皆が携帯電話のカメラで写真を撮り出す。なんと片手運転でカメラを構えて近づいてくるオートバイまで出現した。
道順もわかりにくく、先導のクリスのソーラーカーへのフォローは限界に近い。クリス自身が危険に晒されている。サポートカーからは、サンレイク号に指示を出すトランシーバーに乗員全員が絶叫している状態となる。
工事中のオリンピックスタジアムが見えてくる。ラリー初日に止まってしまった地点を横目に走り、13時過ぎにスタート地点でもあった運動公園にようやく到着。
ゴール地点では、ゴール順にフィニッシュゲートをくぐるセレモニーが行われた。ゲートをくぐる前に、お世話になった各国チームにお礼の挨拶を行った。
トラブルに見舞われながらも無事にゴールすることが出来た。
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