Phaethon2004でNGMモーターを失い、アッパーカウルは修復不可能なダメージを負った。
太陽電池はボディ損傷に伴いいたるところで割れ、リチウムインポリマー電池もまったく使い物にならなくなった。チームでは活動を休止するか否かの議論が成されたが、「出来る範囲で活動は続ける」ことになった。
シャーシ及び足回りはまったく問題無いのでそれを生かした形での新車デザインを行なう必要があった。
1998年に800Whクラスでの理想的なボディ形状を見つけ1999〜2002までチャレンジクラス4連覇を果たしギリシャバージョンにもそのコンセプトを使い7年間引き継いで来たが、今回は新しいコンセプトに挑戦してみることにした。
1999〜2002チャレンジクラス4連覇のSunlake号
究極の空力マシン
その名もNeo、一度は辞めようと思った中からの再出発にふさわしい名前である。Neoの図面は平澤が提案したものに決まった。今まで発泡スチロール原寸大削り出しに外側一層のみザイロン-エポキシ積層という工法であったが、今回はスチレンボードの両側にザイロン-エポキシを積層してパーツを作りパーツを組み合わせていくという工法である。この方法では平面同士の組み合わせしか出来ないので形状の自由度は著しく低くなる。
また、パーツ両面にザイロンを積層するので今までに比べてザイロンを2倍以上必要とする贅沢な車だ。(ザイロンの平米単価はカーボンの約3倍!)
肝心のデザインはSunlakeの伝統にのっとったデザインエッセンス(後ろを絞り込む&サイドをキックアップさせて上面はなるべくパネルが傾かないようにする。)を融合させて平澤が図面を引いた。
お茶の間でデザインする平澤
イラレで起こした図面
比較的簡単に思えたこの工法は実は今までよりも格段に時間が掛かるということを製作前に誰一人思いつかなかった。 |