Solar Car Archaeology Research Institute

ソーラーカーの歴史
The History of the Solar Car

序論 最初のソーラーカー
The First Solar Car
 私の知る限り、8台の「最初のソーラーカー」が実在する。

0. 鋼鉄亀 "Steel Tortoise" in Coventry

  Robert Anson Heinlein, (SF novelist), USA, 1939.
  ロバート・ハインライン(SF作家)米国 1939年

 短編小説「疎外地(原題:Covrntry)に「鋼鉄亀(原文:steel tortoise)」と呼ばれる乗り物が登場する。その乗り物は、屋根に6平方ヤードの「サンパワースクリーン」を備え、そこから得られるエネルギーで時速6マイルで走ると設定されている。実在した訳ではないので8台の中には入っていない。
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1. サンモービル GM "Sunmobile"

  William G Cobb (General Motors), USA, 1955.08.31.
  ウイリアム・コッブ(GM社)米国 1955年08月31日

 General Motors社の技術者 William G Cobb が、同社が開催した大規模な展示会「Powerama」にて公開したモデルソーラーカー。12個のセレン製太陽電池から得られる電力でモーターを回し、プーリーを介して車輪を駆動した。
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2. ソーラーキング IRF "The Solar King"

  Charles Alexander Escoffery (International Rectifier), USA, 1958-1960.
  チャールズ・エスコファリー(IRF社)米国 1958-1960年

 ベイカー・エレクトリック社の1912年製の電気自動車の屋根に、生産が開始されたばかりのシリコン太陽電池を並べたパネルを乗せた「ソーラーカー」を、インターナショナル・レクティファイヤ社の社長指示で、社長の技術顧問だったチャールズ・エスコファリーが製作した。発表されたのは1960年だが、製作は1958年であるとされている。実際に人が乗り、時速30kmほどでデモ走行する様子が動画に残されている。
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3. ブルーバード Ed Passerini's "Blue Bird"

  Edward Passerini (The University of Alabama), USA, 1977.
  エドワード・パッセリーニ(アラバマ大学)米国 1977年

 米国アラバマ大学で環境教育を行っていたエドワード・パッセリーニ教授が製作。模型や市販車の改造ではなく最初から太陽電池のエネルギーのみで走ることを意図して製作されたものとしては最初のソーラーカーとされている。後に1982年のワールドフェアにて展示された。
エド・パッセリーニのソーラーカー「ブルーバード」詳細 へ

4. 醜いアヒルの子 または ソーラーシティカー
    Solar CitiCar "The Ugly Duckling" in Israel

  Arie Braunstein (Tel Aviv University), Israel, 1977-80.
  アリエ・ブラウンシュタイン(テルアビブ大学)イスラエル 1977-80年

 イスラエルのテルアビブ大学のアリエ・ブラウンシュタイン教授の研究グループが、米国 Sebring-Vanguard 社製の小型電気自動車「CitiCar」を改造したソーラーカーを製作した。
イスラエルのソーラーカー「ソーラーシティカー」詳細 へ

5. 東京電機大ソーラー自転車 Fujinaka's "Solar Bicycle"

  Masaharu Fujinaka (Tokyo Denki University), Japan, 1979-1980.
  藤中正治(東京電機大学)日本 1979-1980年

 学生の卒業研究・製作として自転車を改造して製作した「電動自転車」を、定置太陽電池パネルで充電したバッテリーで駆動した。最初は二輪車、次には自転車二台を組み合わせた4輪車が製作された。セパレート型ソーラーカーの第一歩と位置づけ出来る。
藤中教授のソーラー自転車 詳細 へ

6. 英国のソーラー三輪車 Freeman's "Solar Tricycle"

  Alan Freeman (Unknown), England,1979-1980
  アラン・フリーマン(所属不明)英国 1979-1980年

 1979年に、英国人アラン・フリーマン氏が小型三輪のソーラーカーを製作。翌1980年には公道を走行するための登録を行った。
アラン・フリーマンのソーラー三輪車 詳細 へ

7. サンシャイン号 Yamawaki's "Sunshine"

  Hajime Yamawaki (Private - Hama Zero), Japan, 1982.
  山脇一(プライベート、後にHAMA零設立)日本 1982年

 現ハマ零チーム主宰の山脇一氏(当時は日産自動車勤務のプライベーター)が、ガソリン/ソーラーのハイブリッドエコランカー「サンシャイン号」を製作した。当初はソーラー電力をエンジンのスターターモーター駆動に利用、後に、エンジン付属のダイナモ部分をモーターに改造して駆動系をハイブリッド化した。ガソリン/電動モーターのハイブリッド自体は1900年代初頭から存在したが、ソーラー電力を用いた実例としては世界初だと思われる。
山脇一氏のサンシャイン号詳細 へ

8. サンランナー "Sunrunner" The Guinness World Record
  ギネス最高速度を記録した最初の「純」ソーラーカー

  J.Davidson and G.Johanson (SOLutions in Solar Electricity), USA, 1983.
  ジョエル・デビッドソン と グレッグ・ジャンソン(略)米国 1983年

 Joel Davidson と Greg Johanson が1984年に製作したソーラーカーは、バッテリーを使わない純ソーラーカーとしての最高速度を記録し、ギネスブックに掲載された初のソーラーカーとなった。なお、その記録は1987年にGMサンレイサーに破られたため、現在は掲載されていない。
 なお、彼等が1986年に製作したソーラーカーは、公道上でスピード違反して警察に反則切符を切られた初のソーラーカーとなった。
ギネスブック掲載「サンランナー」詳細 へ



詳細については、各論を参照されたい。

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第一稿   2006.01.01.
追記    2006.09.24.
追記    2006.10.14.
一部訂正  2007.08.07.
引用ウエブサイトについて更新  2010.10.05.
IRF社ソーラーカーについて全面改定  2010.10.06.
全面改定 2010.11.12.

Copyright Satoshi Maeda@Solar Car Archaeolgy Research Institute
太陽能車考古学研究所 2006.01.01