第１章 祈りの街
２００１．０６．０７（木） 出発、レジストレーション
10:30 （日本時間）関西国際空港ロビー
「全員揃いましたねえ。誰かがヤル(遅刻)と思ってたんだけど。」(平澤)
子供二人を含む総勢１０名によるTeam Sunlake 初の海外遠征である。監督、竹原、平澤、高橋、に助っ人の太田、そして実は筆者も助っ人である。セキュリティ・チェックで引っかかった。常時日用品として携帯しているスイス製アーミーナイフだ。この時はこのアーミーナイフが活躍することを誰も知らない。
12:00 マレーシア航空MH053便、予定通り離陸。天候は良く揺れは少ない。客席は空いていて、ゆったりと座れる。沖縄上空、窓から美しいラグーンが見える。
17:00（マレーシア時間：日本時間から一時間遅れ）中継点のペナン島着。外は雨。島周辺の海は結構濁っている。海岸線はマングローブ。
19:00 ペナン島発。ここからクアラルンプール（ＫＬ）までは満席状態。
19:50 ＫＬ(クアランプール)国際空港着。 飛行機の中の空気が冷たく乾燥していた為か、下村監督、先週から引きずっている風邪が悪化。顔が赤い。熱もありそうだ。 受付は20:00までとの予告なので、オフィシャルに電話を入れようとするが、いきなり躓く。公衆電話の使い方が解らない。地元に人に教えを請いようやくかけることができたが、何度かけても話し中？（実は呼び出し音だった。） なんとかオペレーターにつながったものの「呼び出したけど出ません。byebyeガチャン！」。
兎に角、ホテルに向かおうとタクシー３台に分譲してホテルに向かう。ベンツのタクシーに乗れるはずが、 マレーシア国産車だった。 高速道路の制限速度は110km/hrらしいが、タクシーの運転手氏は「俺は140km/hrで走るのが好きだ」と云ってガンガン飛ばす。
21:00 これから１週間お世話になるShah Alamコンコルドホテル着。まずはレジストレーション。下村監督は既に病人状態で、サインを要する書類の山を前に爆発寸前。今日〜明日は休んで、LEG１までには回復しておくれ。
23:00 レンタカーを借り、下村監督を除く男性５人でソーラーカーが積まれたコンテナを見に行くことにする。車のドアの開け方が解らず、深夜の駐車場に防犯ベルを鳴り響かせてしまったのが最初の御愛敬。係のおにいさんが直ぐに飛んできた。僕らが最初ってわけじゃなさそうだ。今回のイベントでのベースキャンプとなるブダヤ・コンプレックス(ＢＣ：総合体育施設)へは自動車で５分。車庫となるのは、完成したが、まだ御披露目されていないという真新しい体育館である。かなりデカイ。床は板張りだが土足で良いらしい。それはともかく、入り口には階段があるので、ソーラーカーを担ぎ上げないと中には入れない。さらにドアの間隔は狭く、幅１．８ｍのボディも傾けないと出入りできない。
コンテナは既に鍵が解かれ、しかも前後が逆向きに置かれている。一抹の不安・・・・・・は的中。積み込んだはずの前輪調整用のアングルとアルミ製の金具、三角定規が無い！！。それでも比較的、他のグループよりは被害は少なくて済んだようだ。車体の一部が破損していたが、これは輸送中の振動によるものであろう。
軽量を誇るサンレイク号であるが、流石に５人ではコンテナから降ろすのは難しい。先に到着し、既にＢＣで作業していた立命館大学の皆さんの助けを借りる。感謝。バッテリーの充電開始。予備のタイヤを組立て、壊れていた、シャーシにボディ前部を留めるための部品を、空き缶再利用の板金加工で作製する（これが僕が作った最初のパーツになった。）。到着早々の深夜作業だが、これらは、まだ序章に過ぎなかった。
２００１．０６．０８（金）
01:00 一応作業終了。気が付くと日付が変わっていた。ほっとすると同時に一同、機内食のサンドイッチ以後、何も食べていないことに気づく。明日の朝からの移動に備えミネラルウォーターも調達しなければならない。深夜の食料探しが始まる。事前資料でホテルの隣にあるとされているセブンイレブンが見あたらない。名前通り２３時で閉まるのだろうか？（実はこの時、周囲一帯は停電していたらしい）結局、まだ開いていたホテルのバーでビール＆スパゲティに落ち着いたのだが、このスパゲティはレトルトパックの冷えた麺に缶詰のトマトソースがただ乗せてあっただけだった。 イタリア料理を頼んだ時点で失敗していたのだ。
02:00 就寝 （日本時間では03:00）
赤道直下のソーラーカーレース
WSCC MALAYSIA 2001
World Solar Car Championship Malaysia 2001 10-12 JUNE
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三文楽士の休日 ／ The Place in the Sun