三文楽士の休日 / The Place in the Sun / マレーシア編

赤道直下のソーラーカーレース
World Solar Car Championship Malaysia 2001

第2章 熱帯のメトロポリス


KLCC ペトロナス・ツインタワーとサンレイク (パレード出発前)


改め 2001.06.08(金) パレード&展示会

06:00 ホテルの食堂に集合。 実は、みんな04:00から目が覚めている。朝のお祈りが拡声器を使って街中に流されているのである。ホテルの窓からは東南アジア最大の回教寺院「ブルーモスク」が眼前に見える。Shah Alam はイスラムの祈りの街なのである。

 朝食は西洋風+中華風のビュッフェスタイル。トロピカルフルーツがおいしい。生ジュースも飲み放題である。ベーコンもあるし、昨夜(というか就寝前というか)はビールも飲めた。基本的にはイスラムの街なのだが、非常に自由度が大きい。多民族国家マレーシアならでは、ということなのだろうか?

アラーの神は本当は異教徒には寛大なのかもしれない。


06:30 BCに移動。 本日はクアラルンプール・シティセンター(KLCC)でソーラーカーのパレードと一般向けの展示会が開かれる。トランスポーターに積み込む前に車を走れる状態にセットアップしなければならない。今朝になってからコンテナから降ろしていたのでは、とうてい間に合わなかった。マレーシアに着いてから、かなり時間が経ったように感じるがまだ12時間経過していないのだ。


サポートカー、とコンテナ

08:00頃 大形トレーラーがボチボチと到着。

08:30 トレーラーへの積み込み完了。朝日を浴びて輝くサンレイク号が凛々しく見える。



09:50 トランポ、バス、サポートカー、オフィシャル含め40台近くで編成されるコンボイにてKLCCまでの移動が開始される。( 出発予定時刻 09:00 のはずだったのだが。) 白バイの先導は、なかなか見事。


 100km/hr以上で走りながら、片手を使っての交通整理。高速道路でさえ、車線上に斜めに白バイを停めて車の流れを堰き止める。巨大なトレーラーに白煙を伴う急ブレーキを強いて停めてしまう情景は圧巻である。マレーシアのお巡りさんは絶対なのだ。


市街地では原付バイクが白バイの後ろに行列を作る。

10:40 KLCC近くの駐車場着。高さ451.9m ペトロナス・ツインタワーが目前に見える。トランポから車を降ろしセットアップ。

11:30 パレード開始。マレーシアの公道を走るソーラーカー編隊。マレーシアでのSunlake号初乗りの名誉はコイントスの結果、若手ドライバー高橋に与えられた。(本人は暑そうなのでいやがっていた)

青字部引用

 パレードでのドライバーはH氏とワタシとのコイントスの結果、ワタシが務めることに・・・
赤道直下の強烈な太陽が照りつける中、キャノピーは無情にも閉じられ、 パレードが行なわれた。やはりコクピット内は灼熱地獄。レース中ほど運転に気持ちが集中していないので、余計に暑さを感じる。

http://www.geocities.co.jp/Outdoors/8250/wscc1.html   (by Kazuo)



11:45 KLCC着 ペトロナスツインタワーの足下に整然と並ぶ12台のソーラーカー。実は全て日本製である。ここから一般展示。場内整理のスタッフはいるものの、一般の観光客がぞろぞろと展示場に入ってくるため、とても目を離せない。 見かねたオフィシャルの日本人スタッフが立入禁止のヒモを張ってくれ、多少マシになったが、現地のスタッフは立入禁止を徹底する気が、まるで無い。当方も、興味深く質問しに来る人を無下に扱うわけにもいかず、「触らないでね」と注意しながら解説員に徹する。親子連れが多い。マレーシアのお母さんは、なかなか教育熱心だ。 最もタチが悪いのは、欧米系の観光客。「触るな」と制止しても無視し、謝りもしない。



 赤道直下の太陽は真上から容赦なく照りつける。交代で番をしながらKLCCのショッピングモルに涼を求める。残念ながらペトロナスツインタワーに登っている時間は無さそうだ。KLCCは東京に例えるなら、代々木公園+銀座のショッピング街+東京タワー といったところか。ショッピングモルはブランド品満載。だが、値段は日本とたいして変わらず、イマイチ購買意欲はわかない。冷えたココナッツジュースで喉を潤す。おいしい!。


豪快な椰子の実の生ジュース。日本でたまに見かけるのよりずっと大きい。

15:00 展示終了し 駐車場までの帰りのパレード。往路のサポートカー運転手だった竹原に平澤が声をかける。

「帰りは僕が運転しますから、奥さんと一緒にバスで、ゆっくりどうぞ」


再びトレーラーに乗せてシャーアラムに戻る

15:50 駐車場でトランポに車を積み込み、Shah Alam への帰りのコンボイが出発する。往路と違い交通量が多い。往路は、あんなにも頼もしかった白バイの先導も少々頼りなく、コンボイに割り込みが続出。やがて編隊はチリジリになってしまった。トランポとバスは良いが、自分たちで運転するサポートカーは、自力でのドライブになる。白バイ先導ということで、安心していたため、コースはあやふや、地図もない。行き先表示は親切だが、よそ者には地名がさっぱり解らない。ほとんど迷子。

 サポートカー運転手を引き受けた平澤、竹原夫妻への心遣いではなく、本心は、白バイ先導でガンガン走れる快感を味わいたかっただけなのである。当てが外れて後悔することしきり。

「竹原さん、今頃バスでLove2かなあ・・・・・・・・」
(竹原はバスで熟眠していた。(本人談))

 高橋が取り出した双眼鏡が活躍する。オフィシャルの車を見つけ、必死で付いて行く。遙か前方を走るトランポ編隊を見つけたときはホッとした、が、見つけたのは、肉眼で見ていた太田である。揺れる車内から双眼鏡で前方を注視し続けた高橋は、この時、すでに車酔い状態に陥っていた。


優れものの双眼鏡ではあったのだが・・・・・・・

17:30 BC(ブダヤ・コンプレックス)着。心なしか車は少ない。かなりの台数が道に迷ってしまったようだ。

18:00 トランポから車を降ろし、細部をチェック。コンテナで紛失した部材の代替品を探しに行く。DIYショップは、小規模で品揃えも多くはないが、なんとか間に合わせられそうな材料は揃えることができた。体育館BCはちょっとした鉄工所と化している


ブダヤコンプレックス体育館入り口 後方に先代のFalconが見える。


ブダヤコンプレックス体育館内部 広い!

20:00 作業終了。マレーシア到着後24時間が経過。KL空港に降り立ったのが何日も前の出来事のように感ずる。ホテルに戻り、療養中の下村監督に状況説明。監督はドライバーでもあるので、明日の車検には立ち会わなければならない。

20:30 平澤、高橋はコースの下見に出かける。LEG1は一般公道。サーキットとは異なり、かなり凸凹が激しい。上り下りも、けっこうなものである。「モーター焼けたり、火を噴く車が出るぞ、こりゃあ」。

 この予想は残念ながら的中してしまった。HAMA零さん モータートラブル。立命館大学さん 制御板が文字通り火を噴いた。車載消火器では消しきれず、手渡されたマレーシア製消火器(なぜか青い)まで出動した。
21:30 夜はホテル近くで地元料理に挑戦。最も混んでる店が、一番おいしいのだろうと、屋台の集合体のようなところに入る。英語はほとんど通じない。メニューはマレー語。注文のシステムもよくわからない。必死のボディランゲージ。 隣の家族連れが日本語で話しかけてくる。日本向けのオーディオ機器を作っている会社のマネージャーさんだった。日本語は片言だが英語はOK。彼の通訳のお陰でマレーシアの本格的?庶民料理を味わうことができた。香草とスパイスが効いて美味。青唐辛子の脳天を直撃する辛さには要注意。甘辛椰子風味の焼き鳥がおいしい。これでビールが飲めたら文句なしなのだが、残念ながら「ダメ」。ここはイスラムの街なのだ。 お勧めはペナン風焼きウドン(中国語のアルファベット表記)スペシャル(「スペシャル」かノーマルかは目玉焼きの有無。)不思議な味だが、最後まで食べてしまい、もう一皿食べたくなる。


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三文楽士の休日 / The Place in the Sun / マレーシア編
赤道直下のソーラーカーレース
WSCC MALAYSIA 2001
World Solar Car Championship Malaysia 2001 10-12 JUNE

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第3章 赤道直下の凶暴な太陽

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