コラム 助っ人制度について (1) (2) (3) オリンピクラス特例について |
2008年6月30日
05:00 出発
フロントガラスには水滴、空はどんより。西側から望む鈴鹿山系には厚い雲
05:50 国道一号線土山付近 空模様は相変わらず。
05:58 新名神高速道路の下をくぐる 路面はウエット
新名神高速道路の陸橋
鈴鹿峠に向かう。山は厚い雲に覆われている。
06:00 鈴鹿峠
峠のトンネルを越えると、東の空は明るい。
関を過ぎ、旧国道1号線に入り、亀山市内を抜けた所からJRの踏切を横切って平田に向かう。
6:20 鈴鹿市に入る。
平地まで降りてくると雲の合間に青い空が見える。明るい夏の日差し 路面はドライ。
06:32 鈴鹿サーキット着
秘密のダート駐車場に車を置き、9番ゲイトから歩いて入場する。
門の手前で停まっているのは大阪産業大学さんのワゴン車。
06:39 前泊していた某監督と平尾の誘導でピットに到着。
先客の柏会さんと同衾である。
同じピットには尼崎工業高等学校チームも
「あれれ、吉川先生、昨年で引退じゃなかったんですか?」
「新車(ドリーム→チャレンジ)作っている最中にオリンピアクラスと既存クラス将来撤廃という発表があり、どーしよう?ってことで呼び出されちゃったんですよ。」
やむなく前後切りつめて(三輪車のままだが)小さくしたのだが・・・・・・・という車体。元々TIGAと同じ型から起こした同型の兄弟車だったのだが、これだけ切りつめるとかなり印象が変わって見える。約半分はサンパワー社の真新しいセルに変わっている。
そのまた隣は、静岡工科自動車専門学校
左:昨年のエンジョイクラスの車両 右:たぶんオリンピアクラスの車両
仮エントリーではオリンピアとエンジョイにダブルエントリーしていた。エンジョイの方は昨年デビューした緑色の車両の様子。オリンピアの方は4輪なので、どうやらこちらのようなのだが、どう見てもEVフォーミュラ。太陽電池はいったいどこに???
その後ろに搬入されてきたのはタブラジ改め、
新生のアステカ・レーシングチーム
ソーラーカーを格納したままトラックの荷台に載せることが出来る専用車両キャリアが目立ている。なんと工具類は床下収納。「試走会までに間に合わせるんだ、キョンシーチームに負けるなぁ!との掛け声で、突貫工事で作ったとのこと。車両本体よりこっちの方にチカラが入ってる感じでした。
ピットレーンから望む観覧車
サンレイク本体はまだ到着していないので、ご近所の散策を続けることにした。
OSUピットはガードが固い。
名古屋工業大学
龍谷大学チーム到着
地元三重県のHALチーム。家族連れメンバーが目立つ
こちら、堺市立工業高等学校
吉田先生、怪しく黒い謎のボックスをカッターナイフで加工中。
「あ、吉田先生が工作しているの、初めて見た。」
「なに云うてるの、マレーシアでどんだけ仕事したか、」
「いつも腕組んで怒鳴ってるだけやしなあ」と山田先生
「ソフトなヒゲ親父で行こうとしてるのに、変な先入観与えんといてよ。」
失礼しました。でも直ぐその後
「おい、早よ用意せんかい!」と怒鳴り声が・・・・・・
和歌山大学
紀北工業高等学校生産技術部
再輝
長野県工科短期大学校
お馴染みの特徴的なシルエットは残されているが、4輪にオリンピア化されている。昨年鈴鹿の公式プログラムでは新たにソーラーカーJ準拠の車両を製作中と予告されていた。好きなデザインだったのだが4輪化されたことで、失礼ながら率直に申し上げてバランス的に苦しそう。しばらくは試行錯誤が続くことになるだろう。
06:50 サンレイク本体到着
サンレイク母艦「タケハラ号」到着
立命館大学チームも隣のピットに店開き
6月21日の学内試走時に車両を大破。今日は、助っ人制度のプロドライバーの指導会を兼ねるため、なんとしてでも車両を持ち込まなければならなかった。と、いうことで、太田鉄工所の親方自らが突貫工事で修復したシャーシに、ヴィマーナ号に流用されていた旧サンレイクボディ(1999-2002年)を被せての鈴鹿入りである。(製作記 Volume 4、6月21日の項参照)
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07:09 チーム・アスカ到着
チームアスカ到着
今日のメンバーは熟年2人にエントラントの3人で(有)氏は御留守番。お手伝いしてアンロードし、OSUチームの後ろに陣取った。
そこに現れた世界最速運転手氏のN村氏 「気になるなあ、あのシートの下」
OSU車両にはカバーがかけてあって見えないのです。
昨年のオキシライド・プロジェクト協力の見返りに、
高性能太陽電池を入手したというもっぱらの噂。
07:20 受付
アスカさんに付き添って本日のエントラント初仕事の受付へ。
ひょっとして緊張してるの?
こちらはというと、サンレイクの高橋ドライバーが事故渋滞に捕まっているので受付できなずイライラ。もっとも本人は2時間ぴくりとも動かなかった道路上で、もっとイライラしていただろう。
見たこと有るような車体だなあ・・・・と思ったら
パネルを剥がしたマックススピードの旧車両でした。鈴鹿高専が譲り受けた様子。
マックススピードと鈴鹿高専はOSUの隣に陣取った。
ピット内に某サイト管理人さん発見
こちら芦屋大学チーム。カウルを吊す仕掛けの設置中
ポリテク・カレッジ滋賀 SPD
今年はドリームとエンジョイにダブルエントリー。ドリーム車両は製作真っ最中。シートが間に合わなくて・・・・とビールケースが車体に埋め込まれていました。流石にこれは正規部品が完成したら取り払われる予定とのこと。
スリムな長野工業高校チームの車体
宮崎県から参加の日向工業高等学校ソーラーカープロジェクト
08:00 ドライバーさんたちは走行前ブリーフィングに出席
こちらも、そろそろ準備を始めなければ
08:32 アスカさん、お色直し
チームアスカの準備開始
といっても、こちらはかなり自立性が高い車両なのでカウルセットやキャノピーかぶったりというセットアップはほとんど必要なし。 単にレーシングスーツに着替え(着重ね)するだけ。
サンレイクEVO準備完了
08:58 試走スタート準備
初めてピットロードに出たEVO
ピットロードに並んでシグナルが変わるのを待つ。
09:00 試走開始
さて、タイムとデータは監督とK村に任せて、ノンビリしようと思ったら、いきなり緊急連絡。
「積算電流計が動かない。」
あれれ、
サンレイクEVOには3系統の積算電流計が装備されている。
(1)太陽光からの入力電流
(2)モーターへの出力電流
(3)回生電流
実は、今回のモデルチェンジでは、電装系統は全く触っていない。取り外したのを、そのままインストールし直しただけである。細かい配線をやり直すのが面倒なので、ワイヤーハーネスをそのまま外し、そのまま取り付けたという手抜き工事であるのは認めよう。しかし、たいてい、ギリギリまで車体そのものの造形やメカ改造が続くため、電装系工事はいつも走行直前になる。作業効率的にはこいつが最も楽だ。
太陽電池パネルは貼ってないので入力は動かない。不思議な事に、昨年本番で動かなかった回生電力用のは動いているらしい。しかし、肝心の出力電流がモニター出来ない。
どこかの断線の可能性が高いが、配線をチェックしだすと時間が掛かる。試走時間は午前午後各1.5時間ずつしかない。原因解析と対策は昼休みにして、まずはドライバーに調子を見てもらうということで試走続行。
積算電流計トラブルで渋い顔の某監督
09:07 アスカ号、少し遅れて試走開始
アスカ号発進
試走開始時刻の9:00に初心者がノコノコ出て行くと、他チームに迷惑がかかるだろうと、少し時間をずらしてピットロードに出て行った。なかなかオトナの判断である。ピット出口で一旦停止して左右確認。当たり前のことだが、普通自動車免許を持っていない若年ドライバーには、これが出来ない。図体がでかく、小回りが効かない上に、後進機能が付いていないことが多いソーラーカーは、ピットロードまではチームメンバーがサポートするのが常だが、この車両はかなりコンパクトで自立性が比較的高い(ただし、後進機能は無し)ため、熟年ピットメンバーは見ているだけで手は出さない。でも、この状態を見本にしちゃ行けないよ。某大学チームさん。
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立命館大学「ヴィマーナ」発進 まさか、この車体がもう一度鈴鹿を走る日が来るなんて
ベールを脱いだ OSU モデルS’
一昨年のサンパワー社製パネルが別の物に張り替えられているのは、この距離からでも解る。
堺市立工業高等学校の名ドライバー「ピンクツナギ」氏
堺市立の強さの一端を、何でもなさそうな、
このシーンに見ることが出来る。わかるかな?
09:45 サンレイク、ドライバー交代
午前の試走時間、半分経過
ここで、自分の巻いたモーターの調子を見るために、
乗りたくてウズウズしていた監督にドライバー交代。
09:47 BKボンズ・チーム 「黒幕氏」登場
「ねえ、例の女性紹介してヨ。」
「残念、(アスカなら)今、走ってるよ。」
ホントに予告通り見学しにきただけ?
09:50 チーム・アスカ ピット
こちら、チーム・アスカのピット。エントラントは感動の鈴鹿サーキット初走行中。
一方、超ベテランのピットメンバー熟年二人は、完全おくつろぎモード
第一回ソーラーカーレース鈴鹿のドライバー経験者は、おそらくこのお二人だけ
10:04 アスカ ピットイン
アスカ号 無事帰ってきました。
一周15分ほどののんびりペースで4周。で車体を触ってみると、IGBTの放熱板が素手で触れないくらい熱くなっている。スロットル絞って中途半端なスピードで走っていたということがバレバレ。この熱になったエネルギーは車を前進させることには全く使われていないのです。
初走行、初ピットインの記念写真撮影風景
それにしても熱いので こりゃ放熱板面積を3倍くらいにしなきゃいけないな、なんてやり取りをしている最中に現れたVIP軍団は、
IW田氏を初めとするJAFの電気・ソーラーカー部会と
鈴鹿サーキットのオフィシャル技術スタッフの面々だった。
*1) 規約原文は |
10:58 試走会 午前の部終了
久々のサーキット走行に疲れながらも、満足そうな某監督
バッテリーは1セットしか用意してこなかったので昼休みは充電タイム
僕はというと、まずは積算電流計のチェック・・・・あれれテスターが無いぞ? 前日にようやく動く所まで持ち込んだ所でチカラ尽きていたので、メンテ道具にまで気が回っていなかったのである。結局、芦屋大学のMR谷先生にお借りしました。ありがとうございます。
道具は借りたものの、他人がやった配線って解らないんだよなあ・・・・・・・。サンレイクの電装系を仕上げた人物は、実は今はチームから離れている前監督である。半田付けが異様に上手く、車体の軽量化に人一倍情熱を燃やしていた彼の配線には全く遊びが無い。それはそれで凄いのだが、メンテナンス的には非常にやっかいな代物となる。 一度配線を外してしまうと、完全に同じパスを通さないと電線の長さが足りなくなるのである。パスが再現できたとしても遊びが全くないので、相当半田付けが上手でないと再接続できない。ついでに云うと、配線図なんて物は存在していないので、トラブル時は毎回、回路の読解から始まる。日頃、電気から離れている僕には良いトレーニング素材だ、と自分に言い聞かせて・・・・・・・やっぱり解らん。
12:00 試走、午後の部開始
時刻は午後の試走タイムに入ったが、結局、なんとか回路が読めかけたところで昼休みは時間切れ。こうなったら、人間データロガーを使ってデータを取るしかない。と
サンレイクのドライバーのラップ・コントロール精度は、保証値で±5秒、実力では±2〜3秒だ。指示されたラップを実現するにはサーキット上の各ポイント間を各何Aの電流を投入して走ればよいかというデータが身体に刻み込まれている。この体感データを利用して、体感ラップタイムと実際のラップタイムの差から効率を割り出そうという苦肉の策である。・・・・・・・うーーーん 信用していいのかなあ・・・・・・。
12:07 神話タイム
IK上尊師登場
神様の眼力の前では、サスペンション系が全く変わってないのがミエミエかなあ。
12:20 遅ればせながら試走開始
人間データロガーを搭載して発進
こちら、一足先にコースインしたアスカ号。
午後の部は超ベテラン柴田御大による模範走行
いたるところで囲まれているのは、「影の仕掛け人」ミツバのU山さん。
12:40 立命館大学チーム ドライバー交代
ようやく、なんとかピットメンバーにも動きが出てきた
12:45 柴田さんピットイン
「どーや?調子は」 「うん、まあまあ」
アスカが恐る恐る15分ほどで回っていたコースを、10分そこそこでクリア。初乗りでポテンシャルを最高に引き出す所はベテランの技。因みにIGBTは全く熱くなっていない。「ちゅうことは、モーターの方がヤバイかな」と太田さん。予想どうり、モーターケーシングがアッチッチ。中途半端に電流を絞らずに、一気に電流を投入するタイミングと、電流を抜くタイミングをメリハリつけてドライブしたほうが、タイムもエネルギー効率も両方良くなる、という見本である。
12:58 アスカさん再発進
時間もったいないし、もう一回走ってくるか?
と、いうことで、モーター制御のコツの即席講義を受けてアスカさん、再びコースへ。
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13:21 アスカさん、ホームストレート通過
この時は調子良さげだったのだが
13:30 あれれ?、ピットモニターに
オフィシャルに押されるアスカ号 拡大
流石に停まったときは「!?!?!」状態だったようだが
実は密かに「牽引願望」があったらしい。
なんとか惰性でピットロードを下ってきた
この時、モーターは完全に沈黙状態。
流石の熟練組もシンクロスコープまでは持ってきていないので故障解析は帰ってから。
ドライバー本人は、念願のオフィシャルによる牽引・押出しを経験できて御満悦である。
こちらは、制御系がいかれていたらどーしよう・・・・と真っ青。IGBTが壊れていたら万事窮す、納期数ヶ月という代物なので本番までに代替部品が手に入る見込みが無いのである。後日、制御系の故障ではなく、モーターのブラシ配線が焼き切れていたことが判明し、胸をなで下ろした。
13:40 試走、午後の部終了
15時までには完全撤収のスケジュールなので、あたふたと片づけ開始
コンパクトだなあ、アスカ号
アルビー君とインドネシア語会話を楽しむ羽藤先生
柏会とサンレイク、並んで後かたづけ。やっぱり武蔵は薄いなあ。
撤収作業が続くピットレーン側 雲行きが少々怪しくなってきた。
三重県側から鈴鹿峠に向かう。山間の雲はご覧の通り
雨雲の中に突入
湖国側、雲は重そうだが何とか雨にならずに保っている。
と、いうことで、試走会終了。ドライコンディションで走れたのが最大の収穫だったが、積算電流計が動かなかったのは痛恨の極み。
ドライバー達は、感触が良かったみたいで、ニヤニヤしていたが・・・・・・・まだソーラーパネル貼ってないんだよなあ(貼ると10kgくらい重くなる)。・・・・・・・バッテリーボックスを置くフラップも修理( =カーボンクロス貼足し = 重量増 )しなければならないし、前輪下カバーは半分、どこかに飛んでいってしまったし・・・・・色も塗りたいなあ・・・・カーボンクロスの真っ黒も、ホクサンのPhebusみたいでカッコイイのだが、炎天下では触れないくらい熱くなり、ドライバーの照り焼きができてしまうだろう・・・・・意外に重いんだなあ、ペイントって。
自分の所だけでも課題山積み・・・・さらにアスカ号は原因不明の駆動系トラブル、ブラタリアスは大破したままだし・・・・・・・
はたして、僕たちの夏はやって来るのだろうか?