三文楽士の休日
Phaethon2004
ギリシャ・ソーラーカーラリー道中記
*** 資料編:参加チーム一覧 ***
2004.05.23 サーキットレース(グリファダ、旧国際空港を利用した特設サーキット)
左:サンレイク、アポロIV(南台湾工科大学)、John Lee(エール大学、USA)、
Ra V(プリンシピアカレッジ、USA)、ヘリオデット(独)
右:ファルコン(東海大翔洋高校OB)、Salesia(育英高専)、
ハンスGo(FH-Bochum、独)、フツラII(伊)、Helmes(パトラ大学、ギリシャ)
この前にTiga(芦屋大学) Model S'(大阪産業大学)、 Aurora101(オーストラリア)が並ぶ
2004.05.27 デルフィ・スポーツセンターのバスケットボールコートに並んだソーラーカー
左からTiga(芦屋大学)、Model S'(大阪産業大学)、Ra V(プリンシピアカレッジ、USA)
John Lee(エール大学、USA)、右:ファルコン(東海大翔洋高校OB)
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Futura II
(Associazione FUTURA) Italy
フツラII(伊) 陽気なイタリア人チーム。伊語のFuturaは英語のFuture。1999年にはDream Cup SUZUKAにも参加。専用トレーラーには、後輪から後ろの部分を切り離すことにより、コンパクトに収納可能。車高が高いので一般道での運転はしやすそうだが、いかにも重心が高く高速でのコーナリングは難しそう。5月26日、フェリー乗り場に向かう途中の画像、前を行くSalesio(育英高専)と比べると車高の高さが解る。
5月27日には山間部でのSSにて転倒し、右前輪とボディーの一部を損傷した。右前輪の車軸が曲がったまま完走。流石にゴール直後のドライバー氏は疲れ切った表情であった。
http://www.futura2.it/
http://www.futura2.it/gare2i.htm
Hermes
(University of Patras) Greece
ヘルメス(パトラ大学) 開催国ギリシャから参加。 パトラ大学の機械&空力学科、電気工学科、物理工学科の学生と教職員の混成チーム。 3ヶ月間という短期間に突貫で作り上げたとのこと。仕上げにまで気を遣う余裕はなく、外観はきれいとは言い難い。しかしながら初めて作ったソーラーカーとは思えないほど内容的には充実している。ボディはは6層積層のカーボンコンポジット製。総重量300kgは重すぎるが、至る所に長いボルト類が飛び出しており、まだまだシェイプアップできそう。ボディにはベアのソーラーパネルが直接シリコーン樹脂で貼り付けられており、電気系担当者は四六時中テスター片手に導通確認に苦労していた。車名のHermesは英語のMercury。足に翼を持つ俊足の神。ギリシャ神話では神々の使者であり、同時に旅人の守護神である。僕たちにとっては本当に守護神だった。
http://www.mech.upatras.gr/~solarcar/en/mainframeset.htm
Helios 2004
(Aristotle University of Thessaloniki) Greece
ヘリオス2004(テッサロニキのアリストテレ大学) 開催国ギリシャから、エントリーしていたもう一つのチーム。テッサロニキは北部にあるギリシャ第二の都市。 チームメンバーには大学教職員と学生が名を連ねている。 極めて個性的な車体のデザインは、ギリシャ・ソーラーカーデザインコンペにて一等賞を受賞。模型を使った風洞実験の様子や、実車の製作風景、試走の様子なども公開されており、パトラ大のHermesよりさらに完成度は高かったと思われる。 Phaethon2004開会の直前、5月11日、電装系の作業を依頼していたエレクトロニクスメーカーにて火災にて焼失したとのこと。 チームメンバーの胸の内を思うと、心が痛む。 Heliosはギリシャ神話の太陽神でPhaethonの父にあたる。
http://lat.eng.auth.gr/helios2004/English/ENPress.htm
http://lat.eng.auth.gr/helios2004/English/EngIndex.htm
左: Ra V (Principia College Solar Car Team) U.S.A.
右:John Lee (Team Lux - Yale Solar Racing) U.S.A.
米国から参加の二台。両車共にガリヒ素太陽電池、NGMのホイールインモーターを搭載した三輪車であるが、前後輪の構成は異なる。JohnLeeはリチウムイオン電池、Ravはリチウムポリマーイオン電池を搭載。予備モーターを貸与いただいたTeamLux-Yale Univ.様には足を向けて寝ることはできません。
RaV(プリンシピアカレッジ)米国 初日のサーキットレースでは5位、ラリーでは総合3位。
John Lee(エール大学) ポップな色使いが多いソーラーカーの中にあってタキシードでバシっと決めた様な黒がかっこいい。サーキットレースでは、レース専用タイヤのパンクに泣かされた。
http://www.prin.edu/solar/
http://www.prin.edu/solar/greecewatch.htm
http://www.prin.edu/solar/pictures.htm
http://solar.eng.yale.edu/
Aurora 101
(Aurora Vehicle Association) Australia
オーロラ(オーストラリア) ドリームカップ鈴鹿でもおなじみのAurora101。幅200cmのボディでの風を切っての爆走は威圧感十分。Phaethon2004終了後、車両は鈴鹿に向けてTIGAと同じコンテナに同乗して運ばれていった。 右の画像は、スポンサーである男性誌向けのイメージ写真の撮影風景。
http://www.aurorasolarcar.com/main_frame.html
http://www.aurorasolarcar.com/greece04/report01.html
report02.html – report11.html
http://www.aurorasolarcar.com/greece04/report12.html
Hans Go
(University of Applied Sciences, FH-Bochum) Germany
ハンスGo(独) 英国のSouth Bank UniversityとドイツのUniversity of Applied Sciences FH-Bochumからなる英独混成チームとのことであるが、主体はドイツ側の様子。車名の HansGo はスポンサーでもあるゴーシュマン社の社長 Hans Gocherman の名前からとったとのこと。結局は使わなかったが、予備のモーター部品を私たちに貸与してくれるために往復8時間のドライブにおつきあいくださった御恩は忘れません。
http://www.fh-bochum.de/solarcar/
http://www.fh-bochum.de/solarcar/phaeton2004/
Apollo-IV
(Southern Taiwan University of Technology) Taiwan
アポロIV(南台湾工科大学) 台湾からの参加。2003年にはWSCに出場。初日のスピードレース中に、完全に仰向けにひっくり返ってしまい、ドライバー保護のためのロールバーも折れてしまったとのこと。ドライバーに怪我がなかったのが奇跡のよう。もちろん太陽電池パネルは大きな打撃を受けたが、曲面的なボディが幸いして、直接的に被害を受けたのは2〜3割で済んだようだ。徹夜で再配線し、最終的には70%程度まで回復したとのこと。ApolloはHeliosと同様、ギリシャ神話の太陽神であり同時に音楽・医術・託宣の神の名。
http://163.26.238.9/solarcar/index2.htm
Nuna II
(Nuon Solar Team) The Netherlands
ニューナII(蘭) 2003年 WSC in Australia にて優勝した強豪。なんと総延長3000kmを平均時速97kmで走りきったとのと。最高速は時速170km。3億円とも噂される宇宙用GaAs太陽電池を搭載。専用の運搬用コンテナは、充電台になると同時に日陰も確保できる優れもの。
ソーラーカーでは滅多に見ることができないヘッドライト搭載時の画像。
改訂レギュレーションで不要となったため途中で外していました。
http://www.alpha-centauri.nl/
Heliodet-6
(Heliodet) Germany
ヘリオデット6(独) ドイツのプライベートチーム。今回参加したソーラーカーの中では最も個性的な一台といえる。車体は湾曲させた大きなAアームのそれぞれの頂点に前輪と2つの後輪を配し、上には太陽電池を貼り付けた一枚板。モーターは後輪のホイールの中に隠れている。バッテリー、電装系統と居住スペースは、なんと、ハンモック状にAアームからぶら下げられている!!。
コクピットはこんな感じ。いざとなったら、足で地面を蹴って進むことさえ可能(実際にやってました)。ホーンは豆腐屋のパフパフホーンである。
トランポへの積みこみ中に後ろから失礼。ハンモックが本当にぶら下がっている!のがよく解る。後ろのシャフトは、一見すると後輪の車軸のようだが、よく見るとシャフトの取り付け位置は、後輪の中心とは一致していない。完全に分解すると、スーツケースに収めることができるという。WSC常連であるが、残念ながらまだ完走は無いとのこと。スピードを競う、などといった野暮な世界とは無縁の、風を感じながら気ままに走ることができる究極のソーラーカー。
http://www.heliodet.de/geschaeft/emobil/index.htm
Banana
(University of Sao Paolo) Brazil
バナナ(ブラジル) 南米ブラジルからの参加。車両製作は1992年で1993年のWSCに出場。2m×6mの巨体には、圧倒的な存在感がある。コクピットには後方を見るためのCRTまで搭載されている。運転席の両脇に、なぜか段ボール箱が・・・と、よく見ると電線が出ている。なんとバッテリーボックスだった。
大西洋を越えてはるばる運ばれてきたところが、最期の最期、Glyfadasの格納庫に到着したその時に、トラックが急ハンドルを切り、荷台で転倒。前面の曲面スクリーンが割れ、太陽電池パネルも損傷した模様。 ラリー初日には走っていたが、坂道が多いコースではトランポのお世話になることが多かったようだ。
http://www.cybertecnica.com/
http://www.xof1.com/nuNov1503.html
Falcon
(Team Tokai Falcon, Shoyo High School OB.) Japan
ファルコン(東海大付属翔洋高等学校) 過去SunLakeとは鈴鹿で名勝負(?)を繰り返してきたFalcon。今回は卒業生と、東海大学関係者を中心としたチーム編成での参加。今回は同じコンテナに積み込むことになり、それならと、機材も一部共用で準備するなど、いろいろとお世話になりました。
グリファダ 特設サーキットにて
http://www.members.aol.com/shufalcon/
Mercury model S'
(Osaka Sangyo University,OSU/SunPower/SekisuiJushi) Japan
マーキュリーモデルS’ (大阪産業大学) スポンサーが付けば付くほど、チーム名は長くなります。ソーラーカーには少ない4輪車。鈴鹿では後輪の片輪駆動であったが、今回は左右の後輪に各々ミツバのホイールインモーターを搭載。太陽電池パネルは積水樹脂製の薄型ラミネート。メカニックには軽量化のためチタン部品を多用。ピンクの可愛い花(似合っているかどうかは主観の問題と云うことで)とのショットは高速道路の路肩で時間調整しているところを、トランポから撮影。
グリファダの特設サーキットにて
http://www.ojc.osaka-sandai.ac.jp/solar/
http://www.osaka-sandai.ac.jp/koho/news/news51.html
http://www.osaka-sandai.ac.jp/koho/news/news51b.html
Ashiya Sky Ace Tiga
(Ashiya University Solar Car Team) Japan
芦屋スカイエースTIGA(芦屋大学) TIGAをイテア港にて正面から。横から見るとスマートな印象のTIGAだが、正面から見ると結構貫禄がある。レース自体は予想通り1位/2位争いは、TIGA v.s. OSU の図式になった。キャノピーの上の角をよく見ると小型ビデオカメラが縛り付けてある。最近、この角に凶暴性を感じるようになったきたのは気のせいだろうか?
ザピオンにて車検中
http://www.ashiya-u.ac.jp/
http://www.ashiya-u.ac.jp/solacarnews/spjnews.htm
Salesio
(Tokyo Salesian Polytechnic)Japan
サレシオ(育英高専) 育英高専を中心とした産学共同プロジェクトによる新型車。登録資料に使われていたデザイン画どおりの美しい仕上がり。高速化してきたソーラーカーでは車輪をスパッツで覆うのは常識化しつつあるが、全部の車輪を、すっぽり大きなスカートで隠してしまうデザインは珍しい。未完成状態でギリシャに到着し、グリファダの格納庫でようやく完成したとのこと。
http://ec.ikuei-sp.ac.jp/sp/industry/athen_sola.html
White Dolphin
(Tamagawa University Solar Challenge Project) Japan
ホワイトドルフィン(玉川大学) ソーラーと燃料電池のハイブリッドソーラーカーに重心を移しつつある玉川大学はPhaethon2004にもハイブリッドカーで出場することを計画していたらしいが、最終的にはキャンセルになった。招待枠を取りながらの直前のキャンセルは、いろいろな意味で残念。Phaethon2004公式頁の前文からは、太陽エネルギーを使って走る、ということへの強いこだわりを読み取ることができる。同じFIAの代替エネルギー車の範疇にはちがいないが、Phaethon2004の基本思想とは相容れない部分があったのかもしれない。
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AET (AET Solion LTD) Greece
太陽電池パネルのサプライヤーのデモカー。こういう癒し系のソーラーカーは少なくなった。
レースには参加していません。ご安心を。
Sunlake
(Team Sunlake TOYOBO) Japan
サンレイク(チーム・サンレイク) 某化学系企業の社内同好会として1993年に発足したソーラーカーチーム。 他人から見れば喧嘩しているとしか思えないような激しい議論と実践(議論で相手を説き伏せることができない場合は実力を行使した方が勝ち。誤解無きように、腕力勝負ではない。先に物を作り上げて既成事実化し、実際の場でその効果を検証するという意味である)の積み重ねから得られた、他に類を見ない個性的な車体と、その製作K/Hを持つ。コストパーフォーマンスは間違いなく世界一。トラブルとドラマ無しではレースを乗り切ることができない性分が染みつきつつある。
http://www.toyobo.co.jp/mirai/Sunlake/top/solahome2.htm
http://www.toyobo.co.jp/mirai/Sunlake/rep/jp/r_04_p1.htm
More Phaethon 2004 information
Official Web Page
http://www.phaethon2004.org/
ZERO to DARWIN PROJECT
Phaethon Report by Hideki Kimura
http://www.zdp.co.jp/
http://www.zdp.co.jp/2004/20040521.html
20040522.html - 20040527.html
http://www.zdp.co.jp/2004/20040528.html
only Japanese language
ファルコンチームの一員として参加された
おなじみ、キムヒデ先生の丁重なレポートです
4T Rally.gr
http://www.rally.gr/default.asp?menu_code=race-other-news-more
http://www.rally.gr/default.asp?menu_code=race-other-news-more-article&article_id=5816&race_id=0
http://www.rally.gr/default.asp?menu_code=race-other-news-more-article&article_id=5821&race_id=0
http://www.rally.gr/default.asp?menu_code=race-other-news-more-article&article_id=5828&race_id=0
http://www.rally.gr/default.asp?menu_code=race-other-news-more-article&article_id=5834&race_id=0
http://www.rally.gr/default.asp?menu_code=race-other-news-more-article&article_id=5840&race_id=0
http://www.rally.gr/default.asp?menu_code=race-other-news-more-article&article_id=5850&race_id=0
http://www.rally.gr/default.asp?menu_code=race-other-news-more-article&article_id=5856&race_id=0
http://www.rally.gr/default.asp?menu_code=race-other-news-more-article&article_id=5864&race_id=0
http://www.rally.gr/default.asp?menu_code=race-other-news-more-article&article_id=5869&race_id=0
only Greece language
ギリシャのラリー関係のHPです。
11th Jul 2004