The Place in the Sun

三文楽士の休日

SOLAR BYKE RACE IN HAMAMATSU 2014

2014浜松巡礼編

2014 PILGRIMAGE TO HAMAMATSU


ペロポネソスの既視感  PELOPONNESOS DEJA VU


第五章 走行距離計に仕組まれた罠

Section 5: The 2nd Disaster "Trap in the odometer"

2014年9月21日 6:00  起床

06:30  朝食



ホテルの窓から浜松駅方面、手前には航空自衛隊基地

07:00  浜松オートレース場



数日前の天気予報は裏切られ、秋晴れである。

 昨夜、一挙に使えるコントローラーを二台獲得した僕たちであったが
 復活させたコントローラーは、元々450watt用だったとはいえ、付け替えたFETは、これまた中国製のコピー品らしく、仕様が全く解らない。確かなのは、元々付いていた素子に比較して少しピン間隔が狭かったことだ。容量が小さい可能性が高いが、どのくら小さいかの見当が全く付かない。

 一方、ポケバイのコントローラーは250watt用。モーター能力の約半分の能力しかないが、容量は明確だ。24volt駆動なので10A程度しか電流を流せないが、昨日の第一ステージに計測した巡航時の消費電力は180watt程度。加速時に電流を流しすぎないように注意すれば大丈夫だろう。



昨夜のハードワークの疲れが残るが、表情は明るい

08:00  6時間耐久 第3ステージ

 スタートライダーは、僕である。コントローラー破壊の瞬間に立ち会っていた巡り合わせである。低容量のコントローラーの調子も診断しなければならない。ライダー登録こそしてあったが、元々乗る気全くなかったので全く装備は準備していない。フリースタイルのネタ用に岡田が持ってきた「地球防衛軍」と呼ばれている黒いヘルメットを借りて乗ることにしたが、この選択は失敗だった。



 最もモーターに負荷がかかるのは、停止から発進する時だ。恐る恐る電流計を睨みながら、さらに負荷軽減のために第一歩目は足で蹴ってヨタヨタとスタート。ゴボウ抜きしていった混雑を見送ってからスラロームに入った。登り勾配で加速すると一瞬22Aを越えた。デジタル表示なので瞬時にはもっと流れているだろう。しかし勾配のないところでは7〜8A位なので、200watt以下。うまく巡航速度に乗れれば大丈夫だろう。

 しかしだ、この重心の高い乗り物で、全開状態でスラロームをこなし続ける技能と体力は持ち合わせていない。なにより地球防衛軍ヘルメットは重く、次第に顔を上げることさえ苦痛になってきた。

 と、いうことで、低容量のコントローラーでも 申し訳ないが9分間でピットイン。

 続いて、高橋、松丸の順で順調に走行し、コントローラーに異常もなく・・・・・、



高橋監督、初乗り



再びライダー松丸



政井君、隣のピットでLiイオン電池の充電中の藪下先生に質問中である



チェッカーが出るとマーシャルカーが出て、誘導


09:00  第3ステージ 終了



オドメーター(距離計)チェックに向かう

 誰一人、気付いていなかったが、二つ目の魔の手が、無事走り終わってヤレヤレと胸をなで下ろしている僕たちに忍び寄っていた。完走して、オドメーター(走行距離計)チェックに行くと、距離計兼スピードメーターに使っているサイクルコンピュータの画面が初期画面になってる。

 「なに???」

 なんらかの拍子にリセットされてしまっているのだ。

 何故だ? 動作自体は正常なので壊れている訳ではない。しかしリセットされてしまった原因を除いておかないと再び同じ事が起こってしまう。ボタン電池を収納している裏蓋のあたりを触ると表示が付いたり消えたりしだした。



端子のバネが弱く、ボタン電池の接触が不安定だった。

 どうやら内蔵電池の接触不良である。原因はわかったが第3ステージは公式記録無しということになってしまった。昨夜のハードワークで疲れた身体に、あまりの情けなさが加わって、全員極度の脱力感である。



ショックのあまりライダー松丸は太陽電池ステーションの影でフテ寝してしまった。


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三文楽士の休日

Solar Bike Race in HAMAMATSU 2014

2014浜松巡礼編 「ペロポネソスの既視感」

公開  2014.09.30.

Copyright Satoshi Maeda@Team Sunlake
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