The Place in the Sun

三文楽士の休日 2006浜松編

Econo Solar Bike Race in HAMAMATSU 2006
第1回 エコノ ソーラー バイク レース in 浜松 2006

ソーラーバイクレース参戦記


ファイティングゲート近くから見たレース場風景
朝はこんなに良い天気だったのだが・・・・・・・・・

セクション3 レース第1日目


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2006年11月18日

08:00〜09:00 受付



09:40頃 ピット準備

 コースに出てみると、のんびりとしたペースで準備が進められていた。(僕たちはバッテリー組み替えで頭がいっぱいだったが)。オートレース場には、所謂ピットというものは無いのですべて特設である。コースは1周500mだがコース幅は30mもあるので内周と外周では100m近く差があることになる。そのままだと単なるオーバルコースだが、今回のイベントでは、パイロンを並べたシケインが3カ所に作られていて、コースのバンクを登りながらスラロームする形である。競輪場に比べればずいぶん緩やかなバンクだが、非力な電動バイクには結構きつい。


 コースにはパイロンが並べられ、ピットロードが作られている。


コース内の緑地にはピット代わりになる太陽電池充電サイトが参加チームも加わって組み立てられはじめている。


緑地内パドックに置いてあったオートレース用のマシン。
ハンドルは左回転専用の独特のスタイル。事故でねじ曲がった訳ではありません。
ヘッドライト、ウインカーやバックミラーが無いのはレース用バイクの常としても、

ブレーキが付いて無い・・・・・・・。

10:45頃

 「なるほど、ここで車検するんだな」と、ファイティングゲート手前のオートレース用の車検場で待機していたら、さにあらず、コース内緑地のパドック付近で行う、とのこと。慌ててバッテリーと車両をコースに運び込む。特に場内放送が入るわけでもなく、スタッフの方が伝令に走り回っておられる。ご苦労様。

 独立イベントとしては第一回目だが、過去、浜松市の労福協まつり&オートレース場ファン感謝デーの中で開催されたイベントに参加経験があるチームが多いので大きな混乱はない。要領がよく解っていないのは僕たちのチームだけのようだ。

 バッテリー、2台分なのでものすごく重い。この頃には到着が遅れていたチームも揃い、用意ができたチームから、既にコースに出て、思い々々に試走中。僕も一周だけ回らせて頂いた。実戦でドライバーをしたことは無いので、本物のレーシングコースを走るのは初体験である。

 
スラローム練習中
 
な!? なに?あれ・・・?
11:00 車検

 「そろそろ車検始めますよー。」の声。

   

「ちょっと効き甘いねえ。もうちょっとブレーキドラム締めてー。」
 本イベントでは エコバイク実用性のアピールが主眼であるため、通常のレースイベントでは外すことが多い灯火類、サイドミラーが必須となっている。レギュレーションでは、実用車両の保安基準で定められている細かな規定を満たすことが求められているが、ほとんどのチームが、バイク用の市販パーツを流用しているので、当然クリアしているはず、とのことで付いていればOK。

 安全上、最も重要なブレーキのチェックは厳しい。実際に走らせて制動距離を測るわけではないが、ブレーキかけた状態で検査官が車両を押し引きして判定。日頃、レーシングバイクを扱い慣れているプロの目でのチェックである。効きが甘いブレーキには再調整が命じられていた。



 車両検査が終わると、予選代わりに2周分のタイムを測定。速度はバイクによってピンキリだが、音の静かなエコバイクなので、すべてが静寂の中で行われていった。

12:20 充電サイト準備。

 主催者からは各チームに50w×6枚=300w分のソーラーパネルが貸与され、競技開始後の充電はソーラーパネルのみ、ということになっている。1枚のモジュールは12vバッテリー充電にほぼそのまま使える設定なので、持ち込んだバッテリーを分割して、パネルをうまく組み合わせて充電しながら、

   1日目 充電可能時間 4時間 / 走行時間2.5時間
   2日目 充電可能時間 8時間 / 走行時間3.5時間

 すなわち、予め充電したバッテリーと、競技中12時間のソーラーパネル発電電力をフルに使って6時間を走りきれるようにマネジメントすることが求められている。


ソーラーパネルからバッテリーまでの配線は各チームが準備。
朝の天気が続いてくれると良いのですが、既にドンヨリ曇り空。

13:00頃 開会式

 タイムテーブルでは6時間耐久レース1stステージが始まる時刻なのだが、なかなかピリっとは行かない。


ようやく勢揃いした全参加車両。仮エントリーからはずいぶん減ってしまった。


主催者の日本ソーラービークル協会とオートレース場プロジェクトチームの面々
画面左端の斜め後ろ姿は・・・そういえば、地元浜松でしたね。

13:37

 予定時刻より40分近く遅れて、6時間耐久レース 第1ステージのスタート


スタートライン


スタートダッシュ。飛び出したのハマ零、Otus HANA も出だしはなかなか良かった。
 耐久レースは規定時間内の周回数ではなくオドメーターチェックによる積算距離で競う。従ってコース取りは各チーム様々。
 
 メインスタンドに目をやれば、結構な人数が集まっている。実は大スクリーンに他会場でのオートレースの状況が映し出されており、それを見に来ているのでした。ここは場外車券売り場でもあるのだ。場内放送が使えないのは、どうやら、このあたりの事情のようだ。

「けっこう人が集まってるけど、僕たちを見に来ているわけではないのですよね?」
「んーーー、中にはソーラーバイクレース見に来た人も少しはいると思いますよ。」


 早くも空っぽになってしまった1組目のバッテリーをソーラーパネルから充電中。Fujio号は走るの初めてなので、まずは行けるところまで行ってみよう、という作戦だったが、敢えなく45分走ったところで電欠。
 充電の方は・・・、300w24vなので、フルに発電してくれれば単純計算で10A以上入るはずなのだが、何分この曇り空、1Aも流れません。

14:37 第1ステージ、ゴール


 ゴールした車両の走行距離をスタッフがチェックして回る。

 チェッカーが出てから2分以内にゴールラインを通過することが求められている。途中でバッテリーが切れた場合でも、定められたコースを自力で押して通ることが義務づけられており、途中でコースアウトすると即リタイヤ扱いである。同様の考え方は、山脇氏がレギュレーション策定に参画しているソーラーチャレンジin北海道にも取り入れられている。たいていのことは比較的柔軟に対応してくださる山脇氏であるが、こと、この部分については非常に厳しい。「規定時間に必ずゴールラインを通過しなければならない」というこの考えには、カナディアンカップにて自力でソーラーマウス号を4km引張って走り、ゴールしたという逸話を持つ山脇氏の思想が色濃く反映されていると思うのだ。

14:55 5周スプリント勝ち抜き戦 第1組スタート

 5周スプリント競技は、参加全16台が二組に分かれて、5周回る勝ち抜き戦。順位順に8ポイント、7ポイント、・・・と点数が与えられ、上位4チームどうしが決勝に進出。決勝出場チームには決勝順位に従って同様にポイントが与えられる。

 スタートは、スタートラインに並べられた車両に向かって30mで走って乗り込む、所謂「ル・マン」方式。マシン性能に加えて、脚力と、補助員の押しの強さが結果を左右する。

15:10 5周スプリント第2組スタート

15:23 5周スプリント決勝スタート

チーム・マックススピード 「RT田中板金YSR48V」
インホイールモーター搭載の改造電動バイク
5周スプリント競技、第1日目トップ。

15:58 6時間耐久レース 第2ステージ スタート


手前はスターターの日本ソーラービークル協会会長の斉藤氏

 夕闇がそこまで迫り、背後のスタンド内では蛍光灯が点灯されている。
 予定より約30分遅れだが、故意に遅らせたのではないか?と思わせる節もあり。夕闇迫るためヘッドライト点灯が義務付け。テールライトが無い車両はさらにウインカー点灯。そのかわり、走行距離ポイントは1.5倍という仕掛けである。



夕闇は次第に深くなり・・・・・、

17:28 第2ステージ ゴール 


暗闇のチェッカーフラッグ

 第2ステージのフィニッシュ時は御覧の通りの真っ暗闇。数々のソーラーイベントを経験してきたが、こんなのは初めてだ。音の静かなエコバイクだけに、ヘッドライトとテールライトが無いと前も後も、お互いに近づいているのかさえも解らない。

 レース開始後はほとんど日照が得られなかった上に、さらに翌19日(日曜)の天気予報は「雨」。参加車のほとんどはバッテリーを使いきり電欠状態、これでは翌日はレースにならない、ということで、主催者判断により、特例として夜間商用電源からの充電OKということになった。元々は不要なはずの重たい充電器を、「何がおこるか解らないから、」と云って積み込んできたのは虫の知らせというべきか、マレーシアの教訓が活きたと解釈すべきか?。

    
各チームとも、
これから夜を徹しての充電
 
こちらHAMA零チームの「隼号」
後部のソーラーパネル羽根って
こうやってたためるんですね。
ソーラーパネルは100wまで搭載OK

 夜は夜で、オートレース場の選手宿舎のロビーで山脇さん中心にアルコールが入ってソーラー懇談会という名目の大宴会。充電中のバッテリーからも目を離せない。2台分充電しなければならないのでけっこう時間がかかるのである。結局のところ仮眠に入れたのは日付が変わった午前2時過ぎだった。


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