最後のドリームカップ・ソーラーカーレース鈴鹿の開催期間中、ホンダ・ドリーム号の特別展示が行われた。「ドリーム」と名付けられたホンダのソーラーカーは3台、展示されたのは1990年のWSCに出場した1号車である。
HOXAN(ホクサン)は北海道酸素。前身はガス会社であるが太陽電池製造販売に参入。ホクサン自身もソーラーカーを製作しWSC1987、WSC1990に出場、1993年のWSCではメインスポンサーを務めたが、その後、大同ほくさん→エア・ウォーターとガス会社どうしの合併の過程で太陽電池事業からは撤退してしまった。
1985年
世界最初のソーラーカー競技会として開催された Tur de Sol で優勝したメルセデス・ベンツ社のソーラーカーは、ベンツ社の伝統にしたがって「銀の矢:シルバーアロー」と名付けられた。
シルバーアロー:その名は、その昔、定められた車重より1kg重かったという失態を、塗装を全て剥ぐという奇策で乗り越え、銀色のアルミ合金剥き出しの、当時としては先進的な矢のように細い車体でレースに参加して優勝したという故事にちなんでいる。
1987年
現在のGGCの前身になる豪州縦断レースWSCが開催された。優勝はGM車のサンレイサー。「太陽の競技車」という名は、その後、GMが創始し、上位入賞チームにWSC参加支援が与えられる北米縦断レース「サンレース」に引き継がれた。
1990年
第2回目となったWSCで勝つためにホンダが投入したソーラーカーには「夢:ドリーム」の名前が与えられた。「ドリーム」それはホンダの創始者である本田宗一郎が「これで俺の夢が叶った」という言葉とともに世に出した原動機付き自転車に付けられた名前と同じである。
初代ドリーム号は、WSC1990準優勝、
二代目ドリーム号は、WSC1993にて優勝、
三代目ドリーム号:二人乗り仕様の4輪車 WSC1996にて優勝
その名は、1998年からソーラーカーレース鈴鹿の冠となり、2010年の今大会まで「ドリーム」は日本のソーラーカーを見守り続けたのであった。