三文楽士の休日 / The Place in the Sun

試走会 2006年6月26日 於 鈴鹿サーキット

1.ショート・レポート

2.参加車ギャラリー


1.ショートレポート 2006年度試走会

 ほとんどのソーラーカーは、日本国内では公道上を走ることが出来ない。従って、6月後半に開催される鈴鹿サーキットでの試走会は、レーシングソーラーカーに関わる全ての人に取って極めて貴重な催しであるといえる。しかしながら、時期的に梅雨の最中、晴れることは滅多にない。サンレイクにとっては、一昨年は車両がまだ洋上にあったため参加できず(実際には季節外れの台風で試走会そのものが中止になった)、昨年は新車両作成中で走れるには程遠い状況だった、ということで実に3年ぶりの試走会である。3年前( Dream仕様車のシェイクダウン)はどうだったか?と 記憶を辿ると・・・・・やっぱり雨だった。


朝、5時に集合して滋賀県大津市北部にあるサンレイク基地を出発。調子よければ1時間ほどなのだが、流石にこれだけ本格的に降っていると、大事な荷物を積んだままスイスイ飛ばすわけにもいかない。鈴鹿サーキットにはようやく7時過ぎに到着、さて荷下ろしと作業に取りかかったが、


 幌を固定するゴムバンドを先に外してしまったため、危うく取り返しが付かなくなることに。往路、東海道の難所:鈴鹿峠は絶望的に土砂降り。幌に溜まった雨水が重くて幌が外せないどころか、ゴムバンドを外したために荷台上に垂れ下がり、危うくパネルが・・・・。



雨水を掻い出して、なんとかとにかく荷下ろし。まずはお決まりの前輪平行出しから。




コース下見バス。新人さん達はまずはこれでコース下見。




バカボンズさん偵察中???
「ひょっとして人数増えた?」 「平均年齢が下がった、って云って欲しいな。」
「ところでバカボンズさん、車は?」   「濡らすのいやだから下ろさない。」



 ソーラーカーの試走、午前の部は9:00〜始まっているが、いくら待っても雨は止みそうにない。しょうがないので、後輪にお得意のカブタイヤを取りつけ、まずは先輩ドライバー高橋が見本走行、9:57にようやくトロトロと出て行ったが、



途中でスピンし、オフィシャルに押し出して貰い、歩くような速度で帰ってきた。


「前が全く見えん!」

どれくらい見えなかったかというと




これくらい見えなかった。



さて、いよいよ、今回の試走会への最大の参加理由、新人ドライバー平尾の練習。



鈴鹿国際コース初体験 緊張の表情。「とにかく一周して来い」ということでコースに押し出す。
我々もじつはかなりドキドキしているが、本人はその10倍くらい緊張しているだろう。




無事、帰ってきた安堵の表情


 午前の部は、結局この2周でオシマイ。データ取りは無理でも、せめて走行中の電話連絡の練習をしたい。恨めしそうに空を睨むが、太陽は現れそうにない。コースでは二輪の試走会が賑やかに始まっているが、転倒者が出たみたいで、マーシャルカーやレスキュー車が走り回っている。

 そこに突如現れた



雨とはいえ、夏の鈴鹿、この厚着の人物は誰か?



「者ども、頭が高い、控えぃ。控え〜〜ぃ。」
「このお方こそ、伝説のソーラーカーデザイナー池上敦哉氏にあらさせられるぞ。」

突如はじまる、新作スパッツと、GHクラフト社製カーボンFRPホイールの即席品評会。

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午後になっても、雨が止む気配はないが、せっかく来たんで、お初のカーボンFRPホイールを
使ってみたい! ってことで、恐る恐る(晴天用タイヤで)午後の出撃。最初はベテラン高橋。



雨天のサーキットを晴天用タイヤで走るのは「ノーマルタイヤで雪道を走るより滑る」
とはいえ、道も広いし(???)慎重にいけば大丈夫だろう。
新人君に代わって、ようやくホームストレートを通過したサンレイク



新作スパッツが速そうでしょう。実際はかなりゆっくり走っているのだが。
新しくトライした形状がどれだけ空力改善してくれるか?
この日はデータにならなかったが、本番が楽しみ。



最後は、流し撮りが決まったこの一枚。



後かたづけの頃になって、ようやく雨が上がってくる、なんてのは、よくあること。



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2.鈴鹿サーキット2006年度試走会 参加車ギャラリー

 続いて試走会に参加していた他チームの車両を御紹介。全車撮りたかったのですが無理でした。ごめんなさい。


コースは一日こんな感じ。


午前の部 最初にコースに出て行ったのは御存じ、大阪産業大学の Model S'
ホイールベースが長い上に4輪ということで、並み居るソーラーカーの中では抜群の走行安定性。


こちらは、出るべきか、待つべきか、様子見中の地元 鈴鹿高専


午後の部、スパッツを前輪に取りつけたフルセットアップ状態。ボディ丈夫のパネルを極力平板にして、ボディ底面側にRを付けた独特のフォルム。今や、数少なくなった初回からの連続出場チームの一つ。がんばれ我が母校。


エンジョイボディにサンパワー車のセルを貼り付けてチャレンジに参戦する紀北工業高校
コンパクトなので、よけい速く見える。全長の半分以上あるスパッツが特徴的。




美しい仕上がりのキョンシー(IV)。なんと終盤に後輪ホイールが外れてしまい、Mitsubaのホイールインモーターでダイレクトに路面を走ってしまったらしい。スパッツだけでなくボディ後部にもダメージが。


長野県から参加の タブラヂ・レーシングチーム


ソーラーカー界では既にクラシックカーに入るか? 芦屋大学 スカイエース2 まだまだ走ってくれます。


芦屋大学スカイエース3 (Tiga) WSCのゼッケンが誇らしげ。


芦屋市のお隣の尼崎市から。 どう見ても色違いだ


東海大学 S8。 陰で操るのは御存じキ○ヒデ先生。


こちらは東海大学付属翔洋高校の Falcon。 黄色が基調だったのを大幅にカラーリング変更してイメージチェンジ。どうりで、どこかで見たキャノピーだと・・・・・。


名門 金沢工科大学のゴールデンイーグル4号車(チャレンジクラス)。昨年度はシェイクダウン。低車高の弾丸型?4輪車。今年はどう出てくるか??


チャレンジ首位奪還に燃える柏会の(New)武蔵。


同じ湖国の歴史あるチーム。ポリテクカレッジ滋賀 Solar Power Dreamer "Iberis"


宇都宮工業高等学校。コンパクトな4輪車。OSU Model S' にどことなく似てくるのは4輪車の宿命なのか?


こちらも湖国 立命館大学琵琶湖草津キャンパスから参加の「ブラタリアス」。真っ黒なカーボン仕上げの贅沢ボディを真っ白に。(塗料使いすぎ)



長野県立工科短期大学校の Fizzer。毎年同じ形なのだが毎年新車。実は同じ図面から車体を起こす実習なのです。塗装前のシースルーのガラスFRPがスケルトンモデル風で面白い。クラシックな風防付きの前輪は、実は駆動輪だったりする。ソーラージャパン号(1987モデル)をコンパクトにしたように見えるのは気のせいか?



謎の覆面カーではなくて、謎のカーボンFRPカー。まだパネルも貼られていません。本戦には、どんなカラーで登場するのでしょうか?




手ぶれでごめんなさい。旧 Labo Koyo 21。今年は母体企業改名に伴いチーム名が「JTEKT ソーラーカー TEAM」、車両名が「Tekton262S」に。


三重県から参加のHALクラブ HAL Improve 


神奈川工科大学電気電子工学科 KAIT Helios


名古屋工大と金沢工科大学


大阪産業大学と紀北工業高校



公開 20060721
改装 20060815
増補 20060831


Copyright Satoshi Maeda@Team Sunlake
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