§5.終章
18:00 コントロールタワー2F 表彰式
再び、マレーシアで見た あの顔、この顔が、お互いの健闘を讃え合っている。いかに自分たちがソーラーカーに取り付かれた変人であるか、を自慢し合っている。
「ソーラーカーレース初めて数ヶ月しか経っていないのに、10年くらいやってるような顔をしていた」とは、後に平澤が、その時の僕を評した言葉である。
僕たちのチームは、ある意味で、マレーシアの鬱憤をはらした、ともいえる結果を得ることができた。アラーの神の御加護も少しはあったのかもしれない。
「ウチは、マレーシアでたっぷり厄祓いしてきたからネ」(下村監督)
事情を知る人たちは、笑いで肯定してくれている。
でも、待てよ。厄祓いだって? 厄祓いを、何度しても祓いきれない「ソーラーカー」という大厄に、今、この部屋にいる全員が、取り憑かれているんじゃないのか ???。
そのことに気が付いているのは、どうやら、僕1人らしい。
了
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三文楽士の休日
FIA ALTERNATIVE ENERGIES CUP DREAM CUP SOLAR CAR RACE SUZUKA 2001
2001 マレーシアから鈴鹿に続く道 §5.終章
The Way form Malaysia to Suzuka 2001 Section 5 Epilogue
第一稿(テキスト版) 2001.08.04.
第二稿(WEB公開準備) 2006.09.25.
第三稿(微改訂、テキスト版公開) 2010.10.15.
第四稿(改訂・追記、画像追加) 2010.10.30.