The Place in the Sun

三文楽士の休日

大英帝国見聞録
The Memoirs of Great Britain


======================================
大英帝国見聞録 第二章 北極圏の飛行
======================================


DAY 0 15.Mar.2014 Narita-Heathrow Airport-Lensfield Hotel/Cambridge
DAY 0 2014年03月15日(土) 離日
  成田空港-ヒースロー空港-ケンブリッジ、レンズフィールドホテル

05:00 コンフォートホテル成田

 昨夜、眠りについたのは午前1時を回ってからだったのだが、何故か早朝に目覚めてしまった。欧州時間に身体を順応させるための夜更かし+朝寝坊の計画が最初から破綻している。

08:30 京成電鉄 成田駅

 ホテルを出て、まず京成電鉄の成田駅に向かう。空港行きは09:00。ちょっと時間が開いてしまうので、隣のJR成田駅に向かったのだが08:38発が出たところ。次は09:31まで無い。成田空港線は物凄く便利が悪いということに、当日になってから気が付いた。JR駅員にも京成電鉄に乗れと促される始末で、結局最初の京成電鉄9:00発の空港行きに乗ることになった。成田って前に来たの何時だったけ?



09:10
 空港第2ビル駅

 空港第2ビル駅は、先日のマレーシア航空機行方不明事件を受けてだろう。やけに物々しく電車降りて改札出たところで手荷物検査と身分証明書のチェックが行われていた。

09:35 成田国際空港 第2ターミナル3F 国際線チェックイン・カウンター

 今更だが、空港ビルに入ってからビル内の風景に全く見覚えがない。そういえば、この間は関空だし、その前も・・・・よくよく思い返せば、成田空港を利用したのは1986年以来28年ぶりである。しかも、その時は伊丹からの乗り継ぎであり、さらに、この第2ターミナルビルはまだ建っていなかったはずなので実は初めてなのだ。チェックインカウンターはけっこう混んでいたので、荷物を預け終えたのは10:00過ぎ。



10:10 成田国際空港 第2ターミナル 出国ゲート

 警備は物々しい感じだったが、すんなりパス。同行するVIPの方々と合流。一緒に上級ラウンジで簡単に打ち合わせ。



11:15 成田国際空港 第2ターミナル64ゲート

 搭乗案内が開始された。通常エコノミー席だと最後まで待たされるのだが、「一緒に来たら入れるよ」というので、ノコノコ付いていくと・・・・・すんなり入れてしまった。日本航空 JAL401 便、ブリティッシュ・エアラインとのコードシェア便で飛行機はボーイング777-300。座席25Kは主翼の直ぐ後ろの窓側である。
 同行するVIP氏は、ケンブリッジには何度も行ったことがあり、「アジアからの飛行機が、だいたい同じ頃にヒースローに着く。ダッシュして入国カウンターに早く並ばないと、物凄く時間掛かるよ」とアドバイスいだたいた。アジアの某大国からの団体客が入国時にもたつくことが多く、後ろに付いてしまうとなかなか進まないらしい。



11:45 飛行機が定刻通りに動き出した。延々と地上を這う。

12:07 離陸

 東に向かって離陸し、一度太平洋上に出て、九十九里浜を眺めながら大きくUターン。霞ヶ浦を見下ろし、日光をかすめて新潟方向へ進路を取る。



 飛行機は日本海を越え、ロシアのシベリア地帯を横断して北極圏に入り、北海、スカンジナビア半島の根本、バルト海、再びスカンジナビア半島の先端をかすめて飛ぶ。

 ロシアの大地も、フィンランドの湖沼地帯も、白く凍り付いた氷の世界



 シベリアの大地を流れるロシアの大河も、すべて凍り付いていたが、その流れのダイナミックさはどうだ。のたうち回るかの如く、大きくうねって大地を削る河。それこそが、本来の川の形なのである。



地上は「氷の世界」


14:00 (グリニッジ標準時)3月15日 グリニッジ標準時 14:00

 ここからイギリス時間=グリニッジ標準時。時計では離陸してから2時間程しか経っていないが、実際には11時間が経過している。日本との時差は9時間。そろそろデンマーク半島上空だが、下界は雲に覆われて全く見えない。



15:15 ロンドン上空



 着陸予定時刻であるが、「ヒースロー空港が混雑しており上空待機中」との機長アナウンスがあった。飛行機はロンドン上空を二周半。まるで遊覧飛行である。



15:40 ロンドン・ヒースロー空港

 予定時刻より15分遅れでターミナル3に到着。

15:55 ヒースロー空港 Passport Control 入国審査ゲート


 教えられたとおりに、ダッシュで入国審査ゲートに急ぐ。とはいえ大英帝国の玄関口であるヒースロー空港は広い。日本からの便が到着するのは第3ターミナルの一番端っこなので、急ぎ足でも入国審査ゲートまで延々15分程かかった。



ここから先が大英帝国

 入国ゲートはUK国民とEU加盟国とその他(All Other Passport)に分かれており、この「その他」の列が物凄い人数である。入国審査に並ぶ行列は折りたたまれた一列に整えられており、適宜誘導と同時に団体客などはバラバラにならないように一カ所にまとめるなど交通整理係の動きが秀逸で、流れは意外にスムーズ。それでも人数が人数なので、この行列に40分程並ぶことになった。



左がUK国民とEU加盟国、右が「その他」。
明らかにアラブ系と思われる外見の人たちは、
さらに右側の別のゲートに案内されていた。

 噂通り、入国審査の質問は結構しつこかった。
  「目的は?」         「国際会議」
  「何の会議だ?」       「IEC国際標準化」
  「会議は何処である?」    「ケンブリッジ」
  「誰がお前を会議に招待した?」 一瞬たじろいだが「イギリスの国内委員会」
  「何日滞在する?」       指折り数えて「8日」
  「何日に帰る?」
 えーっと・・・・・ 体内時計的には徹夜明けの身体と脳味噌に、このしつこい英語での質問は辛い。面倒になってきたので、ここで帰りのフライトが書いてあるeチケットを見せた。審査官がしつこいのは、不法就労目的の入国者を見抜きたいからなので、用が終わったら真っ直ぐ日本に帰るという証明になるチケットを見せるのが手っ取り早いのである。

16:35 ヒースロー空港 Baggage Claim 荷物受取所

 これが恐ろしく広く、JAL401便の荷物受取所に辿り着くまでにさらに5分ほどウロウロしなければならなかった。



果てしなく広そうな Baggage Claim


16:43 ヒースロー空港 Custom 税関

 自分のバッグを見つけて税関へ。ここはノーチェック。

16:45 ヒースロー空港ターミナル3到着出口

 空港出口に辿り着くまでに着陸後1時間以上を要したことになる。一緒に高速バスに乗る予定のS氏と合流。S氏が乗ったANA便はJALの5分前に成田を離陸、ヒースロー着陸前に上空待機があったのも同様のようだが、入国審査が早かったのか、出口で1時間近く待ったとのこと。JAL便は満席だったがANAでは3人がけ座席に一人だけと、かなり空いていたらしい。

 タクシーで直接ケンブリッジに向かうVIP氏からは「まだ何人か同乗できるから一緒にどうか」と誘われたが、既にネットで高速バス(COACH)のチケットは購入してあったので「色々経験しておきます。」と丁重にお断り。当方のバス発車予定時刻は18:05である。一時間以上間があるが、一本前の17:05発を予約していたら、入国審査で相当ドキドキさせられることになっただろう。



左上の掲示板には「Central Bus Staion」。一方、右端の看板には「Bus Stop」


17:20 ヒースロー空港 第3ターミナル  AMT Coffee Shop

 コーヒースタンドでS氏としばし、コーヒータイム。眠気覚ましに濃いのを飲もうとカプチーノのSサイズを頼んだが、日本ならLサイズになりそうな大きなカップが出てきた。並んでいるケーキ類は、見るからに甘ったるそうだったので遠慮した。

 二人ともかなり眠いが、もう少し頑張って起きていなければならない。

 「ねえ、何かおかしいと思いませんか?」「うん、確かに。」

 コーヒーショップの目の前が「Bus Stop」。乗り場番号も1−22まである大きなバス停だ。窓からは頻繁に出入りするバスが見えるのだが、どうも様子がおかしい。空港内の巡回バスや、近距離用の乗り合いバスばかりで、遠方に行くリムジンタイプのバスが一向に現れないのである。
 ここで気が付いたのはラッキーだった。「バス・ストップ」と「バス・ステイション」は違う場所なのである。



「こっちに行かなきゃいけないんだ。」

 目の前のBus Stop が、正確には Heathrow Terminal 3 Bus Park で、National Express の高速バス(COACH)が発着するのは「Central Bus Station : セントラル・バス・ステイション」なのだ。



Bus Stop から Central Bus Station まで延々10分ほど地下道を進む。


17:30 ヒースロー空港 ターミナル1、2、3 セントラル・バス・ターミナル



Central Bus Station Lounge

 案内標識にしたがって10分ほど地下道を歩き、ようやく「セントラル・バス・ステイション」に到着。ここも20以上の発着場がある大きなバス停である。高速バスはCOACHなのだが、その文字は何処にもない。乗り場は固定されていないようで、毎回電光掲示板に表示される。バスの便 JL787 to Cambridge は早々と表示されているのだが、発車乗り場(Stand)の欄には「Wait in Lounge」と表示されているだけだ。他のバスの表示でも、発車5分前くらいにならないと表示されないようだ。



 大英帝国の玄関とは思えない、やる気のない掲示板の設置状態。
以前に別の方式のが設置されていて、取り替えたのだろうけれど。

18:00 ようやく乗り場(stand)案内が「13番」と出た。事前にwebでダウンロードした時刻表では STAND 9&10 と書いてあったので、先に行って待っていたら乗り損なうところだった。

18:05 高速バス発車。乗客は10人ほどでガラガラ。


 ヒースロー空港〜ケンブリッジの移動は、時間的には地下鉄+鉄道を使った方が早いのだが、初めての外国+時差ぼけの頭+大きな荷物では難易度が高いというweb記事の薦めに従い、高速バスを選択した。チケットはあらかじめwebで購入できる。高速バスは1時間に一本。直行便とLutonAirport経由便が交互になっており、18:05ターミナル1−3発はLuton経由便。Cambridge到着予定は21:00。



夕焼けは独特の色彩

 空港を出て、程なく日が暮れた。Luton Airport 経由便のケンブリッジ到着予定は21:00。体内時計=日本時間では翌朝の朝6時になる。バスの揺れが心地よく、半分眠りに落ちていたが、終点がケンブリッジなので降り損ねる心配はない。


20:45 ケンブリッジ・パークサイド・バスストップ

 予定より少し早く、パークサイドのバスストップに到着した。到着の直前、Webで見慣れた宿泊予定の Lensfield Hotel の前を通過するのが解り、少し安堵。


 ゴトゴトとキャリーバッグを引きずって石畳を歩き、

21:00 Cambridge City Lensfield Hotel

 これから一週間お世話になる宿に到着した。後に聞いたところでは、タクシー組は18時にはケンブリッジに到着していたとのこと。費用は運転手と交渉すれば1.5万円ほどで行けるらしい。地下鉄+鉄道の方がバスより時間的には多少早いが、時差ぼけの頭、初めての土地での乗り継ぎ+大きな荷物はリスクが高い。実際、帰国日に地下鉄に乗ろうとして、大汗をかかねばならなかった。

   

左:途中にあった Our Lady R C Charch 聖母(ローマ・カトリック)教会
右:レンズフィールドホテルの正面玄関

22:30 夕食は日本から持ち込んだ軽食で済まし、日本に到着の連絡等々して眠りについた。



大英帝国見聞録 第三章

大英帝国見聞録 総目次へ    三文楽士の休日トップ

三文楽士の休日

大英帝国見聞録
The Memoirs of Great Britain

公開  2014.04.19.
Copyright Satoshi Maeda@Solar Car Archaeolgy Research Institute
太陽能車考古学研究所
2006.01.01