The Place in the Sun

三文楽士の休日

2009 WORLD SOLAR-CAR RALLYE
2009 JAPAN INTERCOLLEGE SOLAR AND FC CHAMPIONSHIP

2009秋田偏

〜 遙かなる大潟 〜

プロローグ  大地の怒り

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2009年8月10日(月) 夜半

 沖縄や台湾の方々には申し訳ないが 大型の台風8号が北上せずに西側にそれ、ほっとしていたところで、前々日に 日本近海にて新たな台風9号が発生。予想進路は東海道の南岸に沿い、僕の今回の小旅行の旅程にそっくり重なるではないか。


 明日8月11日は福島まで仕事で出かけなければならない。東京まではしょっちゅうだが、東北にまで足を延ばすことは少ない。11日と云えば秋田県大潟村でWSRの真っ最中である。福島−秋田は決して近くはないが、関西から出かけることを考えれば、少々遠回りの道草みたいなものである。翌朝までに大潟に辿りつくことが出来れば12日、最終日のスタートに間に合うし、粘ればゴールにも立ち会うことが出来る。

 即断した僕は、福島までの切符を買うより先に、秋田の宿の確保、福島→秋田の切符と12日のレンタカー手配を始めていた。

2009年8月11日(火)

 「太陽とおともだち」になりに行くのに、一日中、台風とおともだちかあ・・・・・、と少々肩を落として眠りに就いたのが夜半過ぎ。

05:07頃  駿河湾を震源とする大きな地震。

 目覚めた僕に飛び込んできたのは、
   震源に近い静岡県伊豆市では震度6弱という強い揺れがあり、
   その影響で新大阪〜東京間の東海道新幹線を含む交通機関がストップしている
 というニュースだった。


08:00

 テレビでも、インターネットのJR東海サイトの運行状況ページでも、新大阪−東京間の新幹線の運行は見合わされ、運転開始までには相当の時間が必要とのアナウンスが繰り返し流されていた。福島駅で待ち合わせる手筈の相方に電話すると、すでに伊丹空港にて搭乗手続き中とのこと。こちらは、最寄りの空港までには2時間以上かかるロケイションに住んでいるので国内線飛行機での移動は、最初から計画にも非常事態対応手順にも入っていない。実のところ、国内移動を目的とした飛行機に乗ったことは無いのだ。


08:30

 新幹線は何時に動き出すのか全く情報が得られない。福島での仕事に使う予定だったプレゼン資料と必要最低限の情報を相方に電子メールで託し、最悪の場合には全ての予定をキャンセルしようと最寄り駅に向かった。駅員に問うと、新幹線は運転開始され、すでに東京駅始発の列車が発車しているとのこと。あわてて、家に戻り、旅支度を調えて、コインパークのある一つ隣の駅から列車に飛び乗った。

09:45

 米原駅の電光掲示板で1時間遅れと表示されていた「こだま」が、実際には1時間20分遅れで入ってきた。


 心配していた天気は、少なくてもこの時点では「晴」、新幹線は一件順調に走っている。台風は通り過ぎてしまった後のようだ。しかし、この先は遅れて発車した始発からの新幹線が数珠繋ぎになっているはず。震源地付近では徐行運転になるだろう。はたして目的地にはたどり着けるのか?



いつもは霞をまとっている伊吹山がくっきりと見える。

10:10  名古屋駅着

 数分遅れでN700系の「のぞみ」がホームに入ってきた。元々乗るつもりで、コンセントが使える窓側座席の指定を取っておいた列車だ。迷わず乗り込む。浜名湖までは順調に走っている様子だったが、浜松の手前で減速、先行列車が止まっているらしい。其の後は間欠運転。

11:20  気象庁が東海地震観測情報を発表。

   「今回の地震は、東海地震に結びつく物ではないと判断」

12:00  新富士駅通過は55分遅れ。



富士山の頭は雲の中。

13:30頃 100分遅れで 東京駅に到着。



混雑する東京駅構内

 新横浜手前からはトロトロ運転だった。「乗り遅れた列車は変更出来ませんよー」などと寝ぼけた駅員を一喝して乗車変更を行い、東北新幹線に乗り込んだ。



そろそろ那須塩原、晴れていたら山の景色が素晴らしい・・・・はず。

16時過ぎ  ようやく目的地到着。

 今朝、目覚めてから既に10時間以上が経過。これから仕事だよぉ・・・・・・・・・。

21:01  夜の部の続きを相方に任せて抜けだし、福島発

 仙台で「こまち」に乗り換えると、そこから先は未踏の地。でもこの時間帯では悲しいかな景色は全く見えず、陸奥の針葉樹林は全く味わえない。


23:56  秋田駅着

 ホテルのフロントに辿り着いたときには、すでに日付が変わっていた。

 ほぼ一日、椅子に縛り付けられていたため腰は痛く、肩は凝り、苦手な酒席の後遺症で頭も痛い。肉体的には疲労困憊状態なのだが、気分は既にウキウキのソーラーカーモードなのである。



JR秋田駅の夜景

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仮公開 2009.09.00.
公開  2011.03.26.

Copyright Satoshi Maeda@Solar Car Archaeolgy Research Institute
太陽能車考古学研究所
2006.01.01