Nikkan Fanfare Trumpet Memorial

ニッカン・ファンファーレ・トランペット 保存会



陸上自衛隊広報センター


 陸上自衛隊朝霞駐屯地は、東京都と埼玉県にまたがる広大な敷地を持つ。陸上自衛隊広報センターは同駐屯地正面出入り口右手に位置する。住所は東京都練馬区になっているがセンターが立地する場所自体は朝霞市になる。

 本広報センターに陸上自衛隊中央音楽隊所蔵のファンファーレトランペットが展示されている。展示説明書きには
トランペット[東京オリンピック]
Trumpet
GSDF trumpetters played the fanfare at the opening
ceremony with this trumpet.


(拙訳 陸上自衛隊のトランペット奏者達が、このトランペットにより開会式のファンファーレを演奏した。)
と、書かれており、本個体が明確に東京オリンピックの開会式で使用されたことが示されている。 なお、文中の「GSDF」は、GROUND SELF-DEFENSE FORCE すなわち 陸上自衛隊 の略称である。 楽器本体は、40年以上の時間を経てなお、ラッカー剥げがほとんどない良好な状態で保存展示されている。

 楽器構造上の特徴としては、当時の Nikkan Trumpet の最上位機種であったと想定される No.4 Trumpet の特徴であるところの、

  3ピースのヘビー級ピストンケーシング
  枝管の直管部分が洋白製
  主管と三番管に唾抜きあり
  真鍮無垢材から削り出された唾抜き金具
  六角柱の唾抜き台
  逆台形のピストンボタン

等を備えており、当該モデルをベースにしていることがわかる。管体の取り回しは、他社に類例のない独自性の高いものである。

 特筆すべきは、二番管が左手側に位置しており、そのため通常はピストンの左手側に刻印されている製造No.が(おそらく)逆側に刻印されていることである。

 マウスピースはBACH風の外観を持つニッカン後期型。展示された状態でNikkanの刻印までは読めるが型番までは判読できない。なお、型番については当サイトの記載に対し、後日、陸上自衛隊広報センター長様より丁寧な連絡を頂き、刻印が「No.4   8」であることを御開示頂いた。

 以下の写真画像は初回訪問時(2007年の年末)に撮影したのものである。2011年8月現在、ピストンバルブは音楽隊隊員によって手入れされ、良好な状態にて展示されているとのことである。いずれ再訪して新しい画像に入れ替えたい。


全体像1  拡大




全体像2 五輪旗付き  拡大




バルブ近傍  ピストンの状態が気になる  拡大




三番管、支柱拡大  拡大




ベル彫刻上側 No.4に近い派手目のモチーフだが同じではない。




ベル彫刻下側 五輪マークが彫刻されている。



  
拡大
  
拡大
 
なんとか、裏側が見れないかと努力してはみたのだが・・・・・・・。


最後に再び全体像を、今度は展示ケース全景を含めて。



関連リンク

陸上自衛隊広報センター
陸上自衛隊のあゆみ・遺産
広報センター階 展示室の様子

公開  2007.12.29.
改訂(陸自広報センター展示個体の製造No.判明)  2011.08.13.

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